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2016/03/31

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「ささやかな」研究所の「ささやかな」活動―京都森田療法研究所活動報告―

2016/03/31

 森田療法の分野に、こんな研究所があってもよいだろう。小さな規模で大きな夢を。いや、大きくなくても一寸の虫として五分の魂を生かせればいい―。そう思って活動を始めました。
 
1.一寸の虫の五分の魂による三つの理念
 ・森田療法の「温故知新」。
 ・学際的研究。
 ・生活の体験の中に智恵を深め合う。
 
 ホームページの冒頭に掲げている通り、こんな三つの理念の下に、ささやかな研究所を平成24年の1月末にスタートさせました。活動が円滑に進まないこともある現実に直面しつつ、4年余りが経ちました。年度変わりを1月とするか、4月とするか、どちらでもよいのですが、4月を迎える今の季節は、気分も新たになる節目です。気分本位でも、この機会に過去の4年余りの「ささやかな」活動を振り返り、そして4月からの新たな継続を、事実本位に見据えていきます。
 

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2.これまでの4年間の活動
 まず、過去4年間の年ごとに、おこなった主要なことを列記します。
 
 ●平成24年
 森田療法についての日頃の考えをホームページに記述して発信することを開始。全国の方々と自由に討論できることを期待した。反応は多少。一方、地域的拠点の京都を中心に、関西圏内で交流できるオフ会的研究会の組織を模索するも、反応は消極的でした。しかし、森田療法の生かし方に関心をお持ちの方々が、随時個人的に訪れてくださるようになりました。「朋、遠方より来たる有り」。

 ●平成25年
 以前から関わっていたフランスとの国際交流が活発化。

 ●平成26年
 フランス語圏国際学会組織 PSYCAUSE の第10回国際学会会長を引き受けることになり、10月に京都で学会を開催した。
 12月に三聖病院閉院。病院の歴史的資料の保存のために、三聖病院記念館設立の要を感じて、孤軍奮闘を始めた。
 波瀾万丈の1年だった。

 ●平成27年
 たった独りでの三聖病院記念館設立は成らず。代わって個人的に「スペース・レア 三聖病院記念品保存室」を設けた。
 課題だった研究所の年報のような出版物の刊行ができず、個人の著書『忘れられた森田療法―歴史と本質を思い出す―』を世に問うた。
 前年の PSYCAUSE国際学会(京都)の成果を掲載する学会機関誌の日本特集号の編集に関わる。年末の予定だったその雑誌の刊行が遅れている。

 ●平成28年
 「スペース・レア 三聖病院記念品保存室」閉室のやむなきに至る。
 前出の雑誌の日本特集号は、4月に発行される予定。
 
 当初より、研究所の活動の趣旨として、国内での地道な活動に繋がる三つの理念を謳うにとどめ、国際交流を掲げるのを控えていました。しかし、以前からやりとりのあったフランス側は、極東の日本に関心を寄せ続けていました。森田療法の紹介については、皮相に流れぬよう慎重を期していましが、メールの通信で森田療法のことに言及しようものなら、相手は満を持したように食いついてきます。結果的にグローバル化の波に乗ってしまいました。京都での国際学会開催を引き受けざるを得なくなり、また、折しも閉院間際の三聖病院に、フランス人の団体の訪問を受け入れるというハプニングを実現させました。このような国際交流が蔵する意義を問う考察については、拙著(『忘れられた森田療法』)の中に 記しておきました。
 学際的な交流や研究は、(哲学、禅、教育の分野の方々と)国内で進めています。
 「温故知新」は、主に主宰者が問題意識として終始持ち続けています。
 最も難しいのは、地域における森田療法の研究交流や日常的活動です。今後の課題として浮上しています。

 

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3.会計報告
 平成24年 : 収入 ゼロ 支出 多額
 平成25年 : 収入 ゼロ 支出 多額
 平成26年 : 収入 ゼロ 支出 多額
 平成27年 : 収入 ゼロ 支出 多額    以上
 
 

   ♥      ♥      ♥      ♥      ♥      ♥

 

4.今後の活動について
 京都駅八条口の間近にあるワンルームマンションの一室が事務所です。居住用のマンションですが、このような入居を認めてもらっているのです。ネット上でクリニックとよく間違えられます。診療やカウンセリングを求めるメールや電話をよく受けますが、診療行為は行っていないため、応じきれないでいます。手狭な一室で事務処理や情報発信をしていますが、京都駅に近くて便利なのは何よりなのです。スタッフとしては、名のみでなく嘱託や客員などの研究員として、研究を共にしてくださる方々を擁し、さらに外部からのボランティアの方にも助けられ、その点は恵まれています。
 小規模ながら、過去4年間、精一杯に活動をしてきました。ただし地域に根ざす活動の問題があります。これについては、無関心であった訳はなく、ニーズに対して私たちは何をできるかを模索してきました。しかし現実には、できないでいました。重たいこの課題を持ち続けていきます。
 4年を経て所期の志は変わっていないので、おそらく今後も変わりません。志を同じくする方がおられたら、この研究所を乗っ取って欲しい、本気でそう思っています。

 

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5.運営の問題
 より卑近なことですが、実は重要で、様々な問題を抱えています。
 安定した組織にするために、法人化することを検討しています。その前に経済的基盤を整えねばなりません。
 また実務的には、ITを扱うスタッフにこと欠いています。主宰者はパソコン音痴なのです。メールの送受信だけはできるので、数少ない語彙での下手な作文で、自宅に居ながらにして毎日のようにフランスとやりとりしていますが、せいぜいそんなことしかできません。研究所にいるご主人様、兼留守番は、大きなデスクトップの1台のパソコンです。彼は(フランス語で、ordinateurは男性名詞なので)、彼自身に届くメール文が怪しいと認識するや、直ちに迷惑メールとして扱ってくれる優れものです。しかし森田療法の研究までは引き受けてくれません。はて、どうしたらよいのでしょうか。