森田療法 「サ・エ・ラ」~(2)「禅的森田療法(宇佐療法)」をどう見ますか?~

2016/02/01

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      宇佐玄雄による三聖病院(改築前)のスケッチ

 

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 約90年間続いた三聖病院は、一昨年の12月末に診療を閉じたが、明けて昨年の1月に最後の整理を終えて、2月にさしかかる時に、建物の解体工事が開始された。ちょうど1年前のことである。
 私自身は非常勤の立場で長年この病院にかかわりながら、ここでの森田療法はどういうものなのだろうと、ずっと考え続けた。他に本務を持ちながらの勤務だったので、どっぷり浸からずに、ほどほどの距離で、この病院を体験し、かつ見つめてきたとは思う。途中で勤務の中断もあったけれど、ざっと40年間は長い経験だった。間違いなくここで森田療法について学ばせてもらったことがある。また正直に言って学べなかったこともある。それらは他の場で若干報告した。ひとつの場で何もかもすべてを習得できるとは限らないから、学べなかったこともあると言っても許されると思う。生意気な言い方をすれば、学べなかった不足感が尾を引いているのは、自分が初級から徐々に中級程度に進級できて、目が開かれてきたからかもしれないし、あるいは見方に偏向が生じているからかもしれない。両方の可能性もある。
 しかしながら、私のような者の立場からは、外部の人たちに比べて、また患者様の側の人たちに比べて、病院の全体像を見ることができた。だからそれなりの三聖病院観ができた。逆に言うと、外部の方々や患者様側の方々は、限られた情報しか得られない立場で、三聖病院をどのように見ておられたのだろうと思う。
 今はもう、皆が三聖病院を知り、自由に評価して、森田療法史上に位置づける試みをなさればよいのではないだろうか。そのために、自分の見方を押しつけず、いくつかの異なる情報の存在をお知らせするのがよいと思うような次第である。
 三聖情報はネット上にうようよあるが、狂信から弾劾まで、さまざまなベクトルに及ぶ。そこで、かいつまんで、あれやこれや、いくつか列挙しておく。参考になさって、評価はそれぞれご自由になさればよいことだ。そろそろ、そんな時期になったと思う。
 今アクセスして読んで頂いているのは、ささやかながら研究所のブログのページでありますから、研究をそそのかします。

 

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 以下、いずれもネット上で検索できるものだけを示す(順不同)。
 
1.「森田療法って何だ?」+「ふじたろう」で検索。
   入院体験記あり。
 
2.「三聖病院」+「講話録」で検索。
   このブログでは、以前の院長のいくつかの講話の音声が聴けるようになっている。
 
3.「森田療法の誤解をとく」
   過去に三聖病院に入院体験を有する某氏の、禅的森田療法についてのコメント。
    ・解放させるもの・束縛させるもの
    ・要するに自分いじめ
    ・ムダに悩ませる人(不都合な真実 3)
    ・不都合な真実
 
4.「京都」+「電気ショックの実態」で検索。
 
5.DVD(ドキュメンタリー映画)『ヒポクラテスと蓮の花』『宇佐療法という宇宙』
 
 他にも多々ありますが、とりあえずこれくらいを列挙しておきます。
 任意のひとつだけにとらわれたら、偏狭な見方になること、請け合います。