三聖病院閉院時の、宇佐晋一院長の講話 (動画撮影、その3)
2021/03/01
平成26年12月26日。三聖病院の百年に近い診療の歴史の幕を閉じる最後の日。その1日は決して特別な長い日ではなく、いつものように日中の診療は終わった。
初冬の日は短い。宵闇と共に、病院の夜がきた。三聖病院は夜甦る。やがて最後の最後の院長の講話の時間がきた。集まった人たちは粛々と聴いていたが、講話はいつもと変わらないようなお話であった。少なくとも、最後の講話も淡々としていて、劇的な盛り上がりも演出もないものであった。
院長も疲労の色を隠せなかったように窺われた。しかし、以前から、「講話は本来なくてもよいものです」との前置きでポツリポツリと話をなさっていた院長の真意が証明された最後の講話であった。宇佐先生らしい幕の引き方であった。このときに出席しておられた方々はどう受けとめられたであろう。また今回始めて視聴される方々はどう感じられるであろうか。
なお講話の最後の数分間は、残念ながら録画から落ちたが、講話後に特別なセレモニーとてなく、院長はいつものように背中を丸めて、部屋を出ていったのである。
最後まで入院を続けていた粘り組の数人の修養生たちは、この夜も病院に泊まったようだった。明けて27日、もはや朝食も出なくなった病院からようやく彼らは去っていった。
(リンク) 閉院間際の講話③ 平成26年12月26日(金)