謹賀新年
2020/01/12
ご挨拶
皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年頭の所感
昨年は、災害の多い年でした。人間的な生き方、取り組みである森田療法は、災害を無くするような万能のものではないことは、言うまでもありません。
ただ、言えることは、森田療法は神経質や神経症の症状を治す精神療法だという思いこみが蔓延しがちな風潮の中で、森田療法のあり方が問われているということです。災害の、人為ではいかんともし難い現実を前にして、それでもそれをどうするかと考え、動けることがもしあれば動き、そして祈る。それが森田療法だと思います。
さらに言うならば、現代において、森田療法が対象とする心の病理は神経症だけでなく、あれやらこれやらと増加した、だから森田療法を生かす場が広がったと、やりがいを感じて活動を拡大しようとする、それは重要なことですが、それが目的化したら、少し違うと思うのです。森田療法は、それを施したり教えたりする専門家と、施されたり教えられたりする人たちとの二分法の上に成り立っていたら、本当の森田療法ではないでしょう。それだけは確かなことです。もちろん、対象への取り組みという二分法から始まって、その二分法が乗り越えられていくのでしょうから、性急に批判すべきことかどうか、わかりませんが。
ともあれ、災害の多かった昨年は、森田療法にとってとくに試練の年であったと思います。そして森田療法の試練は、今後も続きます。
当方(京都森田療法研究所)は、いろんな意味での体力の不足のため、活動面で制約を抱えていて、それが残念なところですが、それなりに微力を尽くしていきたいと思います。
昨年、森田療法の「考現学」を課題として掲げて、研究的な原稿をそれに連動させようと試みました。恥ずかしいことに、それが中途半端な形で止まっています。先述した森田療法のあらまほしい本当のあり方を探るという点で、こちらの思いはひとつです。本年は、その整理をつけていかねばなりません。
竜頭蛇尾になってはいけません。長広舌はこれくらいにしておきます。
お願い、あるいはお誘い
上記の長広舌で、当方の意図しているところを、およそお分かり頂けたかと思います。それはこのホームページの表記のページにも、理念として書いている通りです。机上の論に終わるような高尚な研究をすることを目標にしてはいません。実際の必要につながる研究をしようとしています。またその表現の形は、多様であってよいと思います。当初、定期的な研究会の継続的な開催を試みましたが、やってみると、中身の薄い集いになりかねず、そのため随時、必要に応じて、少人数で会って話し合い、交流をしています。どうぞ皆さまにおかれましては、気楽に当方にアプローチして下さい。大小、何でも持ち込んで下さい。どうぞご遠慮なく! 遠慮してためらう人こそ、お会いして交流すると、意義ある成果が生まれます。一方、こちらの趣旨を無視して飛び込んできそうな方は、まず自分の足元をご覧下さい。そして、こちらはクリニックやカウンセリング機関ではありませんから、患者様として受診したい御方は、こちらでは対応しておりませんので、その点はどうぞご理解下さいますように。
それでは今年もどうぞよろしくお願い致します。
令和二年元旦
京都森田療法研究所
主宰者 岡本重慶
研究員 一同