「三聖病院記念品保存室(スペース・レア)」まもなく閉室につき

2015/12/31

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 三聖温泉露天風呂に男性入浴中。

 
 

 三聖病院が昨年末に診療を閉じて、一年が経ちました。閉院にあたっては、森田療法史上に残る病院の様々な記念品や重要資料の保存を図るという課題に直面しました。建物の解体が迫るまでに、重要な物をまとめて保存する記念館を用意する必要があったのです。しかしカウントダウンへ向けての混乱の中、記念品保存事業はおこなわれる気配はありませんでした。そのため私は大切な物の保存を図ることを提案しましたが、対策は講じられません。見かねた私は、とるものもとりあえず、病院に隣接する賃貸マンションにあった空室を自費で借り上げて、記念品の仮の受け皿にする案を出しました。そして、院長の賛意により、マンション(スペース・レア)の賃貸に踏み切りました。しかし、結局、院長が取られたのは「平等施一切」とも言うべき方向でした。最後に残されたごみの山の中から、保存すべき品々を拾い出し、「スペース・レア」に運んで預かりました。むなしく、かつ必要なこの自主的行動には、病院の元事務職員の藤岡様が、物品の搬入や管理、そして経費の一部負担もして下さったのです。
 そして一年が経ちました。物事には限界があります。「三聖病院記念品保存室(スペース・レア)」を、一年間私たちが維持していたことを知っている人は少ないでしょう。一周年をもって、この記念室は閉じざるを得ません。
 
 病院の浴室の入り口には、入浴を知らせる手作りの表示板が置かれていました。入院した方々には懐かしい物のひとつでしょう。その種の物も保存していたのです。
 名残惜しい三聖温泉は一年前になくなって、入浴を知らせる必要のなくなった木の表示板だけ、保存していました。

 
 

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 三聖温泉露天風呂に女性入浴中。

 
 

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 準備中だが、待っていてももう入れません。