ソメイヨシノと宇佐玄雄─こんな春があった─

2015/04/20

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満開のソメイヨシノを背景に、宇佐玄雄先生の銅像の姿があった ( 数年前の写真 )。こんな春はもうこない。

 

 

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ごみの山は少し削られたのかもしれない。この虚しい更地部分にソメイヨシノも銅像もあった。

 

 

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門の外のほとんど枯れた松の木が、雨の後で生気を取り戻したのか、急にまつぼっくりを蓄えだした。

山川草木悉有仏性。

 

 

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同上 ( 拡大 )。

入院第2期のように観察してみる。

 

 

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敷地後方のごみの山。

知る人ぞ知る、在りし日の病院の内部は、ピカピカに磨かれた廊下や便所とうらはらに、他の場所の多くはごみ屋敷同然だった。このごみの山に、変わり果てたごみ屋敷の最期の姿を見る。

 

 

 

 

春と修羅─山をなす宇宙塵─

2015/04/13

宇佐療法という宇宙の容れものであった建造物は、 「 文化財 」 として惜しまれた。

木造の建物は、木と土でできている。解体された分だけ、木片と土と瓦礫が混じったごみの山ができる。何もない更地の空間が、突然姿を現すわけではない。

宇宙塵とて、地上ではごみの山となるのが現実である。

 

 

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山をなす宇宙塵 ( 敷地前方から見る )

 

 

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同上

 

 

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同上

 

 

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山をなす宇宙塵 ( 敷地後方から見る )

 

 

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同上 。 ごみの累積で重機も動きを制限されている。

 

 

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ほとんど、ごみ ( マンション3階から撮る )

 

 

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異次元の宇宙は、新たな仕切りの向こうの建物空間 ( 元院長の私宅 ) のみへと収縮した。

 

 

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切られても、 「 いのち 」 がある。

 

 

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宇佐療法という名称は、当初は一部の人が皮肉をこめて使ったものだが、いつしかそれは、この療法を信奉する人たちにとっての誇り高き呼称となった。

宇佐療法と言う宇宙には修羅のごときものがいた。修羅のごときものは修養生の魂と交感し、修養生は修羅生となった。

今、ようやく修羅や修羅生の鎮魂を祈る刻が訪れようとしている。

 

フランス人は見た─閉院迫る昨秋の三聖病院─

2015/04/06

もう新しい年度を迎えました。

宇佐療法と言う宇宙だった三聖病院の敷地には、工事で吐き出された宇宙塵が積もり、一部の樹々と一部の廃屋は、未だに往生できずに取り残されていました ( 平成27年4月5日 ) 。

 

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時を遡り、閉院を2ヵ月後にひかえた2014年10月21日、この空間を訪れたフランス人たちが、その時の病院の姿をカメラにおさめて帰りました。そして、それらの画像の一部を Nyl ERB 女史 ( 精神分析家 ) が送り届けてくれました。その中のいくつかのコマを選んで、以下に提示します。

── 閉院前にフランス人のカメラにおさめられた三聖病院の姿です。

 

 

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脱いだスリッパを横に揃えて並べることは、フランス人にとっては奇妙な体験だったらしい。

 

 

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「立入禁止」

 

 

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看護詰所

 

 

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怪しい部屋に怪しい人物がいる。

 

 

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「努力即幸福」 ( 森田正馬の墨跡 ) の扁額。

 

 

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「非事実者非眞也」 ( 森田正馬の墨跡 ) の扁額。

 

 

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厨房とその事務室

 

 

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病院の玄関で。

 

 

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三聖病院のドキュメンタリー映画 ( 野中剛監督作品 ) に出てきた病院の階段。

 

 

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前庭の地蔵たちと、鯉のいた池。

 

 

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狸と、金魚のいた池。

 

 

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ここはトイレではないのだが。

 

 

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「心ほったらかし」

 

 

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「希望」は敷地の隅に置かれていた。

 

 

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池の金魚