春と修羅─存在と不在─

2015/03/30

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三聖病院は、あります ( 3月29日 )。

 

 

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平成26年12月27日の閉院を予告する平成26年10月1日付のお知らせが、今、門外に貼られている。去来今に非ず。

 

 

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三聖病院は、解体され不在となることによって、まさに存在している。

 

 

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仰げば、まだハクモクレンがいっぱい。もうすぐ散ってしまう。

 

 

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門のシャッター越しに見る風景。白い花びらが少し散っている。

 

 

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建物の背後に鬱蒼と並んでいた樹木がなくなり、工事用シートも外され、敷地の後方からの視界が良好になった。

 

 

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病棟が一挙に姿を消した。そこには多くの人たちが住んだ部屋があった。

その向こうに管理棟の一部が、虚しく存在を主張してまだ残っている。遠く、左側には第2診察室らしき部屋が見える。それは私たちが外来診療をした部屋。

 

 

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第2診察室を拡大して撮る。

 

 

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第2診察室を、さらに拡大。

毎週ここで診療していたので、若干懐かしい。窓の向う側の庭木を見通せる。実際にあった部屋より、この方が絵になっている。

 

 

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まだ敷地に残っている建物 ( マンション3階から撮影 )。右方に見える建物群の中に、厨房や浴室や便所がある。管理棟で感じるような空虚さは、ここにはなかった。

 

 

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窓が二つあるのはトイレ ( 女性用 ) である。洗剤 ( ?) が置いてあるのも見えて、生活臭が残っている。

便所はまさに存在していた。

 

 

春と修羅─最後に白い花が咲く─

2015/03/24

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白いあだ花が咲いた。

門の中の敷地の隅に残されていた白木蓮の木が、一斉に花をつけた。

 

 

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紅梅の花は散った。

花の命は短くて。

 

 

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門のシャッターの上から望む。

前庭にあった諸物や管理棟だけでなく、その後方にあった病棟の西側部分も消えた。敷地の向こう側まで見通せる。

 

 

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病棟の一部は無くなった。

その付近の工事用シートは外されたので、残る病棟部分が見える ( 敷地の裏側から撮影 )。

 

 

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マンション「スペース・レア」の玄関付近から、病棟の残された部分が目のあたりに見える。

 

 

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病棟の2階屋根上の登頂者たちの勇姿。健康そうな人たちだ。屋根裏の散歩者にあらず。

 

 

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瓦投げ。

 

 

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マンション3階より。

木がかなり無くなって、見やすくなった。敷地の半分は小さな野原になった。しかし、建物はまだ何棟か残っている。年度内に解体工事が終るのか、あやしい。

春と修羅─紅梅咲く─

2015/03/16

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最後の早春、門の外の紅梅がほぼ咲きそろった ( 3月15日 )。

 

 

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門のシャッターには 「監視カメラ設置」 と表示あり。少しものものしい。

ここでは、病院を懐かしむ人が、ときどきシャッターの隙間から中を覗いている。

私は地上から消え行く病院の姿を、こうしてカメラにおさめている。

 

 

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やや遠景になるが、道路からでもこのように内部が見えるのだ ( 3月12日 )。

 

 

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立ち働く人がいて、作業は進む ( 3月12日 )。ご苦労様です。

左下にわずかに見えるのは玄関の屋根だったらしい部分。

 

 

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管理棟はほぼなくなった ( 3月15日 )。正面に見えるのは病棟の建物。屋根の瓦が外された。

2階に窓枠が残っているが、そのひとつが、正馬先生の泊まった部屋にあたる。

 

 

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同上の写真の一部 ( 右上 ) を拡大。

 

 

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同上の部分をさらに拡大。これは管理棟の残骸の屋根裏なのだろう。

 

 

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病棟の向かって左端部分の、瓦がなくなった屋根と、1本だけ残されている棕櫚の樹。

 

 

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木にも仏性あり。

 

 

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マンション3階から。

アングルは同じで、奥行きがわかりにくいが、病院の中枢である管理棟はほとんど消滅した。

消滅しても 「 不生不滅 」 。ぎゃていぎゃていはらぎゃてい、はらそうぎゃてい。

 

 

 

春と修羅─あけられた風穴─

2015/03/09

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前庭には、既に銅像も鯉の池もソメイヨシノも何もない。

そしてそれは玄関から始まった (2月26日、門のシャッター越しに撮影す)。

 

 

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管理棟 (本館) の姿に変化あり (3月5日)。大穴ができた。

 

 

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同上。拡大して撮影。

 

 

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やや別の角度から見ると。

 

 

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同上。拡大して撮影。内と外の空気が通い合う風穴が気前よくあけられている。

 

 

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大きな風穴はあたかも 「空」 に通じる。色即是空、空即是色。3月7日、屋根の塵埃は雨に流されて。

 

 

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隣接するマンション 「スペース・レア」 の3階から見る (3月7日)。

 

 

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門の外側の小さな敷地にある紅梅は、無心に花をつけている。

 

 

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「売却物件ではありません」。東福寺の所有地であることを知る人は少ない。

解体工事の 「施主 大本山東福寺」 の表示は目立ち過ぎるのか、消えている。