残されたものたち
2015/01/19
北病棟(右側)と管理棟(左側にあるが、画面には写っていない)との間に中庭がある。まず目に付くのは、焼き物の狸。「一生を化け損じたる狸かな。」そんな焼き物としての狸の「露堂々(ろどうどう)」である。
バラの花、最後の一輪。
庭の奥に南国風の木がある。よく見れば大きな花と小さな果実をつけている。常夏の国ではないので、たわわにとはいかないが、バナナである。
裏庭にワイルドストロベリーの最後の実がひとつ。
中庭の小さな池に大きな金魚たちが力なく集まって動かない。
診療最後の日に退院した修養生(入院患者さん)が自宅へ移して飼育することを考えたようだったが、実現は叶わなかった。
退院できない地蔵様、ここにも三体(金魚たちの近く)。
裏庭に、さらに六地蔵。敷地内に、全部で10体を越える地蔵尊が残っている。
この異次元空間の中には、不思議な物がある。裏庭の最も目立たないところに未確認物体。